新事業&業種転換を支援!事業再構築補助金(中小企業等事業再構築促進事業)の解説

新事業&事業再構築を支援!事業再構築補助金(中小企業等事業再構築促進事業)の解説 その他

“ウィズコロナ”の時代になって1年余り、この苦境を乗り切るための各種補助金、助成金が広く活用されています。

そして2021年2月、中小企業庁より、注目すべき補助金が発表されました。
その名も「事業再構築補助金」です。

「新しい事業のアイデアはあるが、売上減でお金が足りない!」
「時代に合わせて事業をマイナーチェンジしたいが、売上減でお金が足りない!」

という企業には見逃せないニュースです。

事業を再構築するための補助金なので赤字を補填できるわけではありませんが、貸付ではなく給付である点が大きな魅力。
詳細な事業計画が必要であるものの、小規模事業者や個人事業主も対象です。

詳しく(でもわかりやすく)解説しますので、ぜひチェックしてください。

事業再構築補助金の対象及び申請要件

本来は「事業再構築補助金とは?」という説明から始めるところですが、そもそも対象でなければそれを知る意味もありませんので、まずは対象事業者や申請要件から説明しましょう。

対象となる事業者

中小企業庁の事業ですが、対象は中小企業だけではなく以下となります。

  • 中小企業(中小企業基本法で定義されている中小企業)
  • 個人事業主
  • 小規模事業者
  • 企業組合
  • 中堅企業

中堅企業は「中小企業の範囲に入らない会社のうち資本金10億円未満の会社」という定義で調整中とのこと。
また、「再構築事業によって中堅企業になる見込みの中小企業」も対象です。

※大企業の子会社など「みなし大企業」は対象外です(2021年3月8日現在、その詳細な定義は未発表)。

申請要件

申請できる条件は、以下の3点です。
なお、申請要件を満たしていれば、業種に制限はありません。

1.売上が減っている

申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月
の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。

引用元:事業再構築補助金のリーフレット

これは文章のままの意味で、

  • 「2021年1~3月」と「2019年1~3月」
  • 「2021年1~3月」と「2020年1~3月」
  • 「2020年10~12月」と「2019年10~12月」

などの比較で、売上が10%以上減少していることが条件です。

ちなみに、任意の3か月が連続している必要はなく、「2020年10月・12月・2021年3月」と「2019年10月・12月・2020年3月」、といった比較でもOKです。

2.事業再構築に取り組む予定である

事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に
取り組む中小企業等。

引用元:事業再構築補助金のリーフレット

店舗を縮小してECサイトを立ち上げる、既存事業を売却して新分野に展開といったことですが、以下でわかるように、「事業再構築」の定義は非常に幅広いものです。
「今までやっていなかった事業」であれば基本的にOKだと考えていいでしょう。

3.補助事業終了後3~5年で目標の付加価値額を達成する見込みである

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

引用元:事業再構築補助金のリーフレット

付加価値額とは、営業利益・人件費・減価償却費を足した額です。
申請時には事業計画を策定し(補助金額が3,000万円を超える場合は金融機関と一緒に策定)、その目標を達成できる見込みがなくてはならないということです。

申請にあたっての注意点

事業再構築補助金の詳細を知る前に、知っておいたほうがいいポイントを先に書いておきます。
もしかしたらこの時点で挫折しそうになる人がいるかもしれませんが、対象になる可能性があればぜひがんばってください。

公募による審査制

事業再構築補助金は、要件を満たせば確実にもらえる補助金とは異なり、公募による審査制です。
外部有識者から成る審査員が審査して判断しますので、万端の準備で申請したとしても、不採択となる可能性があります。

事業の着手は原則、交付決定後

購入契約の締結など、補助対象事業への着手は交付決定後です。事業が公表された2021年2月15日以降の着手であれば事前着手申請もできますが、「すでに着手済みの事業」は原則として対象外となります。

補助金の支払いは約1年後

詳しくは後述しますが、補助金の支払いタイミングは事業開始後1年余り先です。
つまり投資資金は先に準備しないといけないということで、手持ちの資金が足りず、融資を受けられるメドが立たない場合は利用は難しいかもしれません。

GビズIDプライムアカウントが必要

今回の申請はjGrants(電子申請システム)による電子申請(オンライン申請)となります。
申請には「GビズIDプライムアカウント」が必要で、2~3週間かかります。
以下のホームページより必要事項を記入し、別途必要書類を郵送しなければなりませんので、申請予定の方は早めの手続きをおすすめします。
https://gbiz-id.go.jp/top/

事業再構築補助金の受け取りは1回のみ

事業再構築補助金を受け取れるのは1社につき1回です。
複数の事業を1つの事業計画書に記載することはできますが、別事業だからといって2件以上の申請をすることはできません。

また、同一事業で国の補助金を複数回受けることはできませんので、対象事業で別の補助金を受けとれる可能性がある場合はどの選択がベストかを検討してください。

対象となる事業期間は1年程度の見込み

詳細は今後の公募要領で明らかになりますが、補助事業の実施期間(経費が補助対象となる期間)は、おおむね1年程度と発表されています。

事業再構築補助金の金額及び対象経費

事業再構築補助金は、企業の思い切った事業転換や新分野への取り組みを支援するための補助金。経済産業省(中小企業庁)の管轄で、令和2年度の第3次補正予算が財源です。

申請要件と制度のポイントがわかったところで、まずは最も気になる金額の話をしましょう。

補助額と補助率

企業種別 カテゴリ 補助額 補助率
中小企業 通常枠 100万円~6,000万円 2/3
緊急事態宣言特別枠 100万円~1500万円 3/4
卒業枠(400社限定) 6,000万円超~1億円 2/3
中堅企業 通常枠 100万円~4,000万円 1/2
4000万円超~8000万円 1/3
緊急事態宣言特別枠 100万円~1500万円 2/3
グローバルV字回復枠

(100社限定)

8,000万円超~1億円 1/2

緊急事態宣言特別枠

コロナによる打撃が深刻で「令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が、対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者」を対象とした特別枠です。
補助金が少ない代わりに補助率が高いのが特徴。
もしこの特別枠で不採択になっても通常枠での審査を受けることができ、通常枠での審査時には加点措置があります。

卒業枠

対象事業の計画期間中に中小企業から中堅企業に成長する見込みである企業向けの枠です。

グローバルV字回復枠

「直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業」のための枠で、グローバル展開を果たす事業であることと、付加価値額の増加が「年率5.0%以上」であることが条件です。

補助対象経費、補助対象外経費

まずは、中小企業庁の資料をそのまま引用しましょう。

基本的に設備投資を支援するものですが、意外と幅広い経費に使えます。
但し、外注費や広告宣伝費、販促費などは「関連経費」の扱いで上限が設けられる予定ですし、人件費や不動産、車、パソコン等は対象外です。

例えば、

  • 店舗を縮小してキッチンカーで販売!→車両購入費は対象外
  • 店舗を縮小してECサイトを自社制作!→外注費には上限があり、パソコンや周辺機器は対象外
  • 補助対象の事業のために人を雇う!→給与は対象外

ということになります。
一方で「店舗を改修(または移転)して、テイクアウト窓口のある店舗にする」といった経費は対象なので、事業計画を策定する際には対象・対象外をしっかり見極めるようにしましょう。

事業再構築補助金の申請と支払いの流れ

ここからは、申請手続きについてやや細かい話をしていきましょう。

公募受付時期

1回目の受付は2021年3月が予定されており、受付期間は1か月程度とされています。
令和3年度のうちに複数回の公募が予定されています。

事業計画の策定

先述したように、事業再構築補助金を受け取れるのは、事業開始から1年以上経ってからです。また、補助金を受け取った後に計画がとん挫した場合は、返還しなくてはならない可能性があります。
つまり、「事業計画の成功が確実でなければ審査は通らない」と考えてよいでしょう。

ガイドラインには、中小企業を支援する認定経営革新等支援機関と相談しつつ、具体的かつ合理的な計画を策定するようにと記載されています。

※認定経営革新等支援期間一覧:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/

悪徳事業者に要注意!

事業計画の策定にあたり、高額の成功報酬を要求する事業者がいるかもしれません。
外部の企業に支援を依頼する際は、その条件をしっかり確認してください。

補助金支払いまでの流れ

最初にも少し触れましたが、補助金の支払いタイミングについてです。

原則は交付決定後の着手

原則は、交付決定後に事業開始し、その実績報告と請求をもとに補助金が支払われるという順番です。
概算払い制度が設けられる予定ですが交付金の使途は厳しく管理されますし、補助事業終了後5年間は年次報告が必要です。

不正があった場合はもちろん、卒業枠やグローバルV字回復枠で目標達成できなかった場合や事業が中断した場合には補助金の返還を求められることがあります。

事前着手承認制度

事業再構築補助金についての概要が発表された2021年2月15日以降の着手であれば、事前着手申請を出すことによって交付決定前の着手は可能です。
しかし、申請が不採択となった場合でも、事前着手した分の費用は補償されません。

新しい挑戦のチャンス!

今回の中小企業等事業再構築促進事業(事業再構築補助金)は、いわば「ほぼ成功は約束されているが資金だけが足りない」というアイデアを持つ事業者のための制度。
誰でも利用できる補助金とは違いますし、事業が失敗してしまうリスクを考えるとハードルが高いと感じる人も多いでしょう。

しかし“ウィズコロナ”の時代、そして遠からず来るであろう(来ると信じたい)“ポストコロナ”の時代では、新しい挑戦なしに生き残るのが難しいのも事実です。
この機会を活かして自社にできることはないか、ぜひ考えてみてください。

中小企業庁のサイトには最新の概要資料のほか、Q&Aもあります。
詳しくはそちらも参考にしてください。

事業再構築補助金(公式サイト):https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/
Q&A:https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/qa.html